DasS, SaaS, PaaS, IaaSの違い

DasS, SaaS, PaaS, IaaSの違いを具体的に解説

2級の学科試験では平成25年度の第2回、平成29年度の第3回、平成30年度の第2回、定期的に出題されている「〇aaS」の問題。選択肢はいずれもクラウドを利用したサービスなので、今後も同様の出題が予想される。具体例をあげながら解説し、最後にSaaSに関する実際の新聞記事について触れておく。

第39問
クラウドサービスの中で、主にアプリケーションソフトウェアを提供するサービスを指す用語はどれか。以下より1つ選択しなさい。

  1. DaaS
  2. SaaS
  3. PaaS
  4. IaaS

※ 平成30年度 第2回の2級学科試験より引用

クラウドサービスとは

まずは、問題文から見ていこう。「クラウドサービスの中で~」と始まっている。クラウドサービスがどのようなものか、ひとことで言うと「インターネット上のアプリを使わせてもらうサービス」だ。

メーラー(メールアプリ)を例に取ると、Outlookのように手元のパソコンへインストールして使うメーラーはクラウドサービスではない。Gmailのようにパソコンへインストールすることなく、ブラウザでインターネット上のメールを送受信できるものがクラウドサービスだ。

続く「アプリケーションソフトウェア」は回答者を混乱させるために大袈裟な言い方をしているに過ぎない。要するに「アプリ」や「ソフト」のことだから、使い慣れた方に置き直してみるといい。

問題文では、クラウド(インストールせずに使えるサービス)で、アプリ(ソフトウェア)を使わせてもらうサービスはどれかと聞いているのだ。さあ、4つの選択肢を見ていこうか。

DaaSとは

DaaS(Desktop as a Servise)の略で、「ダース」と読む。直訳すると「サービスとしてのデスクトップ」ということになるが、何のことやらと感じると思うので、具体例を交えて解説していく。

冒頭でも触れたが、〇aaSは全てクラウドサービスだ。サービスを提供する企業が、クラウド上に〇にあたる部分を作り、インターネットを介して、ユーザーがそれを利用するという点が共通している。

DaaSの場合はデスクトップなので、クラウド上にある仮想デスクトップを離れたところから使うことのできるサービスとなる。つまり、会社の端末からDaaSを利用して資料を作成したとしよう。帰宅後に自宅のパソコンから再度、DaaSを利用して資料を修正することが可能だ。翌日に営業先でノートパソコンやタプレットからDaaSを利用してプレゼンをすることもできる。

「USBで資料を持ち運べばいいじゃん!」と思われるかもしれないが、高価なパソコンを購入したり、端末ごとにソフトを買いそろえる必要がないのでメリットもあるのだ。

SaaSとは

SaaS(Sofrware as a Service)の略で「サース」と読む。直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」となるが、SaaSはクラウド上にあるソフトウェアを離れたところから使うことのできるサービスと言い変えることができる。つまり、パソコンにソフトをインストールせずに使うことができるサービスだ。

先に、Gmailをクラウドサービスと説明したが、これがSaaSに該当する。Outlookなどのメーラーをインストールしなくても、ブラウザを使ってインターネット上のメールサーバーからメールを送受信ができる。メール以外にも色々なソフトウェアがあり、会社、学校、自宅などそれぞれの場所で同じソフトを利用することが可能になるサービスがSaaSだ。

PaaSとは

PaaS(Platform as a Service)略で「パース」と読みむ。もう、直訳する必要もないが、一応、「サービスとしてのプラットフォーム」と訳せる。このプラットフォームとは、データベースをイメージしてもらうといいだろう。

あなたがデータベースを使用するようなサービスを提供する事業者だったとして、起業したばかりの会社だと、データベースのサーバーを用意することは結構な負担になる。そこで、サーバー本体の購入費用、構築費用、メンテナンス費用、人件費などを抑えるためにPaaSのデータベースを利用することができる。ウェブサイトのレンタルサーバーのように、他のユーザーと共有すればコストを抑えられるだろう。

このように、アプリケーションが動作する環境をプラットフォームと呼び、プラットフォームを使わせてもらうサービスがPaaSだ。先のSaaSと異なる点は、SaaSがメーラーのようなソフトを使わせてもらうサービスだったことに対して、PaaSはメールサーバーのようなプラットフォームを使わせてもらうサービスとなる。

IaaSとは

IaaSはInfrastructure as a Serviceの略で、サービスとしてのインフラとなる。つまり、PaaSのもう一歩先、物理的なものまでクラウド上のものを利用させてもらいましょうという発想だ。サーバーはもちろん、OSまでもクラウドで使わせてもらうサービスで、PaaSでは満足できない、または、もっとカスタマイズしたいといったニーズに応えるサービスとなる。PaaSよりも高価になるが、自前で全部揃えるよりもコストを抑えられるのでメリットもある。

ちなみに、IaaSはどのように読むか定まっておらず、「アイアース」や「イアース」など様々だ。「アイエーエーエス」とそのまま読む人もいる。相手に通じればどのように読んでもらっても構わない。

解答

では、冒頭の問題文を見てみようか。もう、解けるはずだ。

第39問
クラウドサービスの中で、主にアプリケーションソフトウェアを提供するサービスを指す用語はどれか。以下より1つ選択しなさい。

  1. DaaS
  2. SaaS
  3. PaaS
  4. IaaS

※ 平成30年度 第2回の2級学科試験より引用

先に一度触れたが、この問題文では、クラウド(インストールせずに使えるサービス)で、アプリ(ソフトウェア)を使わせてもらうサービスはどれかを聞いている。選択肢は全て“〇aaS”だから、「クラウド~」は当然の書き出だし方だ。

その続きは「主にアプリケーションソフトウェアを提供~」と言っているので、これはSaaSしかない。DaaSなら「デスクトップを~」、PaaSなら「プラットフォームを~」、IaaSなら「インフラストラクチャーを~」という問題文になるはずだ。

この問題を解くコツは、“〇aaS”は“クラウドを使ったサービス”であることと、D=Desktop、S=Software、P=Platform、I=Infrastructureを覚えているかどうか。

この問いの答えは、「2. SaaS」で納得してもらえただろうか。

おまけ(実例)

2019年1月21日の日経新聞には「SaaSで人事・営業支援」という見出しの記事があり、その内容は、クラウド上でソフトウェアを提供するSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)を手掛ける企業が顧客を増やしているというものだ。

企業の実名を挙げ、人工知能を活用して電力料金の計算や需要予測を担うサービスを提供する企業や、ウェブ上の消費者の行動をリアルタイムで分析システムを提供する企業などを紹介していた。もちろん、これらのサービスは全てクラウドで提供している。

2019年3月29日の日経新聞では「MaaS データ連携 移動革新」という記事も掲載された。トヨタとソフトバンクが共同出資するモネ・テクノロジーズという会社が、次世代モビリティサービスを推進するという記事だった。

トヨタの作る車と、ソフトバンクが持つ通信技術を組み合わせて、自動運転での宅配や移動店舗を構想しているとのこと。MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)のことであり、ウェブデザイン技能検定の試験内容からは外れる。もし、選択肢の中にMaaSとあれば、ひっかけ問題なので候補から外すこと。
2019年3月29日 追記

今後も新しいクラウドサービスが開発されていくと予想されるが、当面のところは今回、紹介した4つに集約されるので、D=Desktop、S=Software、P=Platform、I=Infrastructureを覚えておけば試験対策は十分だ。